1.意思伝達装置の選び方 ALSの初期段階では、通常の口頭、筆談、パソコンによるキーボードやマウスによって自分の意思を 伝達することはできるが、運動機能が低下していくと、特別な補助用具・装置が必要となる。さらに患者 の運動機能低下の度合いに応じて用具や装置を適切に変えていかなければならない。 高価な装置をできるだけ有効活用できるよう、進行度合いに応じた装置を選ぶことが望ましい。 →ガイダンス(pdf)、導入ガイドライン→HTML、PDF 最も簡易で、最も長くコミュニケーション手段として使えるのは、口頭反応や文字盤である。 ・口頭反応(口文字)は患者の口の形から母音のいずれかを読み取り、介護者がその子音を順次述べて いき、患者の反応から該当音を把握するもの。介護者が言葉を順次述べていき、患者の反応から文字を 把握し、意思を読み取るもの。患者と介護者が訓練すると、現在のどのハイテク装置より早い。 ・文字盤は、患者と介護者が文字が記載された透明板を間にして対面し、患者が見つめている文字を見つける、 あるいは指さしや発声で患者の応答を確認することで、順次、文として把握し、意思を読み取るもの。 ・機器を用いる場合→機器の詳細 →レンタル業者例 次に患者自身が介護者の助けを必要としないで使えるのは、スイッチやセンサを用い、コンピュータ画面に、 自動、もしくは手動でスキャンされたメニューを選択する方式であるが、1文字選択に時間がかかる。 視線センサやレーザー機能付き眼鏡によるスキャン方式は1文字選択が早いものの、眼球や首の運動機能が低下 していくと、すぐ使えなくなる難点がある(一般に使えるのは初期診断から半年〜2年程度)。 なお、パソコンのキーボードは使えないが、マウスやジョイスティックは何とか使える場合、オンスクリーン キーボード(ソフトウェアキーボード)がある。 →「心なび」:ウィンドウ拡大表示、音声読み上げ機能、マウス吸着機能などを有する。 2.入力機器→スイッチ詳細 通常、スイッチやセンサーを用いる。→支援業者 3.入力制御機器:スイッチとパソコンをつなぐ接続アダプター →スイッチパートナーSX、できマウス、 なんでもスイッチUSB、USBシリアル変換アダプター USB-RSAQ3 4.入力信号をワイヤレス(無線)で送る機器:エアスイッチ、ワイヤレスコール、ワイヤレスチャイム ・テレビ、エアコン、DVD、照明などをコントロールするもの→学習リモコン、赤外線リモコン 5.音声支援機器 ・話や会話は可能だが手足が動かせない場合 音声認識でパソコン操作やテキストを記載する方法→キーボード不要 ・人工呼吸器装着で口と舌は動かせる場合 喉頭機能不全や喪失の場合:補声器→ゼル ボックス:顎に押し当てて用いる10万円程度。 声帯が残存している場合:特殊補助器→咽喉マイク ・指定の合成音声を使ってテキストを読見上げるようにするもの→ReadSpeaker、AITalk ・音声合成ソフトウエア:自分の声を再現→ボイスター、マイボイス、コエステーション(スマホ用) なお、テキストを一般的な人の声(男性、女性、外人)で再生するには、Windows XP以上のパソコンに内蔵ソフトがある。 「コントロールパネル」→「音声認識」の「音声合成」欄に、テキスト→声の変換機能あり。