脳波スイッチ
 ・被質脳波(脳電図:ECoG)や脳波図(EEG)の生体信号(Bio Signal)を利用するもの。
 ・眼電や筋電信号が少しでも残っているとMACTOSなど使えるが、これらが悪化すると困難。
 ・最近、脳波を計測し、車椅子や家電製品を制御するデモがされているが、判定できるまで数秒、
  また、判断の成功率も90%程度である。
 ・眼電や筋電信号から随意信号を得るのは比較的実用化レベルのところまできている。
 ・脳波から直接随意信号を得るのはまだ研究・開発段階レベルである。

脳波測定に関する要点
 ・頭頂の皮膚に装着した電極で検出する電圧は数μV〜数十μV と微弱である。
 ・インピーダンスは電極面が無処理だと10MΩ程度だが、生理食塩などを塗布すれば100〜200KΩとなる。
  (皮下細胞域まで行けば数10KΩ以下)
 ・自分の意思の脳波から来る信号に、視覚・聴覚・触覚からの外部環境から反応した信号が重なるので
  後者の信号をフィルターにかける必要がある。
 ・外部・内部環境反応信号(思い込みも含む?)と自分の意思信号との区別が必要。

製品
1.脳波センサZA−X
  センサ+変換アダプター+波形、解析ソフト
2.クワテック社
  Mac OS X 用 脳波測定/解析システムIBVA Ver.4(BlueVAS セット)
3.テクノネクスト
  ポータブル脳波計ミューズブレイン システム
4.ユニポス
  脳波アプリケーションの開発キット「EMOTIVE Epoc+現在の研究・開発の状況
1.脳波計測による意思伝達装置(産総研)
頭皮上の脳波を測定して脳内意思を解読し、意思伝達を行う装置「ニューロコミュニケーター」を開発
2017/3/28にTBSテレビ番組「スゴ腕の専門外来SP最新治療」でも紹介された。

2.脳波スイッチの研究(島根県立大学)
聴覚刺激と視覚刺激により目標刺激特定実験行い高い正答率を得たという報告

3.音と光と脳波の関係実験
 音と光と思い込みの信号が出力されている。スイッチとしての機能確認はやや不明。

4.生体信号によるコミュニケーション(佐賀大学)
眼電図や脳活動を頭皮上から残存する生体信号を利用したコミュニケーションの研究

5.加納准教授:米子高専(鳥取県米子市)の電子制御工学科
 視覚など(画像)の刺激を受けた際に検出される脳波が3種類あることに着目。 
 3種類の組み合わせを解析することで、患者の意思が判断できるプログラムを開発し、特許化している。

6.検出精度99.3%のBCI
 加藤 康広 氏(玉川大学脳科学研究所)2011年12月1日/グローバルCOE 第41回 若手の会談話会
 システムは脳波計と脳波を解析するコントローラ、予備刺激提示用の小型のLEDランプから構成され、
 利用者は頭頂部、耳の二カ所に電極を装着している。(2011/12/1)

7.脳波スイッチ実験動画
 患者がいろいろ考えをめぐらしているとMCTOSのセンサからの信号が3次元画像(1つは時間軸)で表示されていく。
 時々強い信号が発生する。しかしこれは脳波なのかノイズなのか、あるいは筋電位なのかが不明確で終わる。
 患者がリラックス出来ることが条件で、その状態から意識的に興奮してβ波を出せるかどうかが
 分かれ目のため、かなりの訓練をしないと使いこなせない。マクトス社の2013/2/16の実験映像

8.BCIの実験
 新潟大学で多数の電極を頭部に設置して意思表示の実験(2006/6)

9.脳波スイッチ実験(ある患者家族のブログからの情報映像)
 MCTOS脳波スイッチ実験:右目と左目のそれぞれに違う周波数でLED点滅を行う。
 右を意識すると右の周波数の信号が、左を意識すると左の信号がMCTOSのセンサに強く現れる。
 脳が左か右かのどちらかに集中させて判定させるアイディアで二人の健常者は100%OK。
 患者テストでは80%OK。質問後、回答を得るまで数秒かかっている。韓国での実験映像あり。

参考
1.特許
 名称:脳波スイッチの制御方法および装置【出願人】NTT、大阪大学

2.脳波の種類と周波数 →詳細
 デルタ波(δ波):0.4〜4 Hz … ノンレム睡眠
 シータ波(θ波):4〜7Hz … レム睡眠
 アルファ波(α波):7〜14 Hz … リラックス&集中
 ベータ1波(β1波):14〜20 Hz … イライラ・クヨクヨ
 ベータ2波(β2波):14〜32.5 Hz … 執着・怒り・哀しみ
 ガンマ波(γ波):32.5〜 Hz … うらみ・ねたみ・恐怖

 ・左半球側頭頂部導出のα波パワー値の増大が観察されている。
 ・脳波のβ波を検知・解析して”YES”、”No"を判断するのが主流。